フーロ・コルッコ〜消えた冒険家

フーロ・コルッコ~消えた冒険家

フーロ・コルッコ~消えた冒険家

だらだら本は読むけど、今の財布的にも気分的にも生活のメインは音楽なので、適当にいたずら書きでもしとこう。

アラマーイルマン・ヴァサラットと、舌をかまずに言うのがまず苦労するが、名前から受ける印象の如く音楽も変。
最初に試聴したら、ごりごりしたベース音が爆発してなんじゃこりゃ!? と思ったら、なんとチェロでしたか。ホーンセクションにチェロ二台、ドラム、キーボードと異様な編成で、音楽も超低音。しかし、これはこれで最高の組み合わせだとすら思わせてしまう、バカ音楽の傑作。


このアルバムには収録されていないけれど、いかにもヴァサラットっぽい音楽。ロックっぽいようなへヴィメタっぽいような、ホーンの音はスピリチュアルだし、トラッドでもジャズでもなんとでもいえる。「架空の国のワールド・ミュージック」と銘打っている(タワレコでは、ワールドミュージックのコーナーに試聴があったが)が、そういった立ち位置が非常にユニークだ。アルバムを通して聴くと、意外なまでに音楽も多彩で普通にポップ・ミュージックといっても何の問題もなかろう。

どこかメランコリックでこういった持ち味もある。このアルバムもいるのかいないのかフーロ・コルッコという冒険家に対する妄想譚となっているのだが、アルバムの9曲目にこういった音楽が入るあたりもエンディング・テーマのようだ。ジャケットもかなりキマッている。アルバムを通して一つの映画を観ているようで、愉快でいてまたおバカな作品だ。
まあ、四の五の言わず最高にクールでカッコいい音楽。