愛の賛歌

横浜フランスアニメーション祭2009に行ってきた。とりあえず、「愛の賛歌」と「ぼくたちは機械じゃない」と長編の『ブレンダンとケルズの秘密』の三つを鑑賞。
で、「愛の賛歌」について。
いかにもおフランスな小気味のよい、へたれの恋愛譚がずらり。どんなにへたれてしょぼくて妄想ばかりでも、オトワラヴィー♪それが人生〜♪といった感じで、オサレに笑いのめすご上品な口ざわりがフレンチ。まあ、小説でも映画でもそんなイメージに苦手意識を感じることが多いのも事実だが……。

ルイ・クリシー「恋は何のために」

いやんなるくらいにええ話。非常に勢いのあるアニメーションで、三分を一気に観せられる。適当にちょちょいと書いたようなアニメだが、細かな表情の演出なども上手い。

ジェレミー・クラパン「脊髄の物語」

現代の作品でせむしが登場、横溝正史でもなかろうに流石にびっくりした! しかし、せむしの悲哀を誘う物悲しい話になるでもなく、男女で足りないものを補っていくという、肯定的な方向にもっていくコントロールはよい。要所要所で意外な展開がまっており、ユーモア作品として素晴らしい。

Tomek Ducki『レール人生』

動画は一部の転載。このタイトルが示すテーマとか、中盤の展開が妙にアイロニカルに感じる、とどうも物足りない点もある。が、この歯車人間の動きは氷上を滑るスケーターのように、なめらかで見ていて飽きない。これはCGか、ストップモーションか?

フランソワ=ザビエル・ゴビ『あなたの腕で』

タンゴアニメーション。ライトの陰影のつけかたやリズム感は好きなのだが、演出があざとくて好きとはやや言いがたい。ってか、男の顔がこゆい……。

といったところ。殊に印象深いのは上の三作で、傑作と駄作の差が激しい。まあ、いつものことだが……。