TANGO

ポーランド出身の映像作家ズビグニュー・リプチンスキー(ズビグとも)。ジョン・レノンミック・ジャガーといったアーティストのミュージック・ヴィデオも手がけたことがあるらしいが、現在は女子美術大学客員教授のようで、結構個人的には謎の人。
アート系の映像に強いイメージエフというところが、かつて作品集をDVDで三枚出してくれたらしいのだが、一枚目だけ品切れ状態。アカデミー賞の短篇アニメ部門を受賞した「TANGO」がそれに収められているのだが……。

まあ、作品を観れば説明不要の超絶作品。自分の狭い了見では、これがつまらないという人は想定しにくい。
一枚一枚映像を合成するという根気のいる作業に感じられるが、完成まで一日十六時間作業して七ヶ月かかったという。
究極の群像劇(ホンマかいな?)ともいう作品で、ただただ圧倒されるばかり。まるで異時同図法を過剰にしたSFみたいだな。際限ない作品のようにも見えるが、オチもなかなかスマートに着地しているのがすごい。なんだか鑑賞後に観察力テストするのに使えそうな映像にも思えてくるが。
アカデミー賞をよくとれたなというか、とれて当然というか、不思議な傑作。