GOSICKⅣ 愚者を代弁せよ

聖マルグリット学園の時計塔と、伝説の錬金術リヴァイアサン。彼の自伝だか日記だかに描かれる生涯の謎と、現在の密室殺人事件。まあ、現在の事件事態はありきたりなもので、過去の事件との組み合せ方はいささか強引なのだが、それ以外はなかなか面白い。
第一次大戦が終わり、間もなく二次大戦が始まろうという頃に舞台設定がされているが、その両大戦とその間をミステリに組み込むかたちは上手い。このシリーズの一巻とかが気に入っているなら、ラストの仕掛けも好みなのではなかろうか。
図書館の奥に引きこもる謎の美少女ヴィクトリカに加え、準レギュラーが一同に会し大騒ぎするという、ファンには嬉しい展開も。四巻で一気にセカイ系っぽい方向に転んだきらいはあるが、なかなかの好作。

「たったいま、その錬金術師の挑戦を受けたところなのだ」