ウェットウェア

ウェットウェア (ハヤカワ文庫SF)

ウェットウェア (ハヤカワ文庫SF)

『ソフトウェア』に続く、四部作の二作目。

前作ではアシモフの三原則をはなれて人間とロボットが抗争をひろげていたが、今作ではもはやその域ではない。ロボットが人間を作り出そうなんていう、トンデモナイ方向に突っ走ってしまっている。
本作では融合(マージ)という違法麻薬が出てきて、それを使うとたんぱく質がでろでろに蕩けてしまう。そして、何人かで蕩けながら一緒になって、皆トチ狂って遊んでいるという。物語の筋自体は突っ走りすぎてよくわからないけど、男と女が風呂場ででろでろになって目玉が浮かんでいるシーンはあまりに強烈。
マッドもポップもドラッギンな文体もポストコロニアルや哲学的なテーマの突き詰め方もそれに屁を吹き付けるやり方も、全て前作の比ではない。それが凄い! と思いつつも、なんだか自分の手にあまってしまう。好きな人はとことん好きなんだろうなあと思うが、そんな人がちょっと羨ましくもある。

神よ、おしるしをお示しくださいっ